済州島の海辺で

済州島に定住して2年半が瞬く間に過ぎた。
市内から少しはずれた小さな村にある我家は、夫の父祖が暮らした場所でもある。
目の前には海が広がり、振り向けば、済州島をぐるりと一周する幹線道路を挟んで、漢拏山(ハルラサン)が聳える。晴れた日には、刻々と表情を変える海の色に見惚れ、標高1950メートルの頂上から山裾へとなだらかな稜線を描く漢拏山の雄姿に見惚れてしまう。
98歳のオモニ(夫の母)と74歳の夫という家族構成の主婦業を「楽しく、美味しく」を心がけてきたけれど、家事には際限がない。細切れの時間に”自分”を取り戻すのは至難の業だ。時に萎むような心を奮い立たせるために、このブログを始めることにする。いつまで続くか、どれだけ書けるか自信はないが、自分の寄って立つ位置を知るためにも、書いてみようと思う。
今日の空は雲に覆われ、山側の風景は見えないが、海は穏やかだ。